メルカリ、安心安全に向けた新たな方針と3つの取り組みを発表
不正利用者の排除と利用者救済で、マーケットプレイスの信頼性を強化
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フリマアプリ「メルカリ」は2025年5月21日、「不正利用者の徹底的な排除」と「お客さまの徹底的な救済」という2つの方針を掲げ、それに基づく3つの新たな安全対策を発表しました。
これまでも本人確認やアカウント監視などの安全対策を講じてきましたが、近年の詐欺犯罪の増加や不正利用の巧妙化を受け、より抜本的な対応が必要であると判断したものです。
実際、日本国内ではオンライン取引を悪用した詐欺被害が年々深刻化しており、電子商取引の健全な発展には、安全な利用環境の整備が急務となっています。
今回の新方針は、そうした社会的背景を踏まえたうえで、メルカリが責任ある事業者としての姿勢を明確に示したものといえます。
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今回の発表でメルカリは、「不正利用者の徹底的な排除」と「お客さまの徹底的な救済」という2つの約束を掲げました。
これらは単なるスローガンではなく、具体的な制度と体制によって裏付けられています。
・ 不正利用者の徹底的な排除
マーケットプレイスの信頼性を確保するには、不正行為を未然に防ぐだけでなく、悪質な利用者を発見・排除する仕組みが不可欠です。
メルカリはこれまでも本人確認やアカウントの監視を行ってきましたが、今後はAIによる不正検知や厳格な制裁措置など、より積極的な排除体制の構築を進めていく方針です。
・お客さまの徹底的な救済
また、正しくサービスを利用していたにもかかわらずトラブルに巻き込まれたユーザーに対しては、メルカリが積極的に介入し、金銭的な補償を含むサポートを行う体制を整えます。
これは、従来の「当事者間の解決を基本とする」方針から一歩踏み込んだものであり、よりユーザー目線に立った対応と言えるでしょう。
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この新方針を具体化するために、メルカリは以下の3つの施策を導入すると発表しました。
・ AIによる不正監視の強化
まず、不正利用対策としてAI技術を活用した監視体制を強化します。不正の兆候を機械学習でスコア化し、リスクの高い行動を自動的に検出。
不審なアカウントには、利用停止や法的措置(損害賠償請求・刑事対応など)を含む厳格な対応を行うとしています。
近年、不正行為は巧妙化しており、人の目だけでは見抜けないケースも増加しています。
AIによる検知システムの導入は、こうした課題に対処するための重要なステップといえるでしょう。
・「メルカリ鑑定センター」の設立(2025年9月稼働予定)
次に、偽ブランド品対策として「メルカリ鑑定センター」の新設が予定されています。
2025年9月に稼働を開始し、鑑定対象カテゴリの拡大や、一定商品の鑑定義務化も検討されています。
これにより、ユーザーはより安心してブランド品などの高額商品の取引ができるようになり、偽造品の流通を未然に防ぐ体制が整備される見込みです。
鑑定に不備があった場合には、メルカリが商品の買取などで対応することも明らかにされています。
・「全額補償サポートプログラム」の開始(2025年7月予定)
最後に、トラブルに遭遇したユーザーを救済する制度として「全額補償サポートプログラム」が導入されます。
購入者・販売者のいずれも対象となり、条件を満たせば購入代金や販売利益の全額補償が受けられる仕組みです。
また、補償を受けるためのガイドラインも整備され、トラブル発生から補償までのプロセスを迅速に進める体制が整備されます。
この取り組みは、ユーザーにとって大きな安心材料となり、メルカリの「プラットフォームとしての責任」を体現する象徴的な施策とも言えるでしょう。
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メルカリが今回、安心安全への取り組みを強化する背景には、国内における詐欺犯罪の深刻な増加があります。
警察庁の発表によると、2024年の詐欺による被害額は約3,075億円にのぼり、認知件数も2020年と比べておよそ2倍に増加しています。
特にオンライン取引の普及により、個人間で商品をやり取りするフリマアプリなどにおいては、詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクが以前にも増して高まっています。
このような状況の中で、CtoC(個人間取引)を支えるマーケットプレイス事業者には、これまで以上に高いレベルの「社会的責任」が求められるようになっています。
単に取引の場を提供するだけでなく、詐欺の未然防止や利用者保護のために、事業者自身が積極的に関与していく姿勢が強く期待されているのです。
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メルカリは、月間2,300万人以上が利用する国内最大級のフリマアプリとして、非常に大きな社会的影響力を持っています。
こうした規模のサービスにおいては、利用者保護や取引の健全性に対する責任も比例して大きくなります。
今回発表された新方針は、「取引プラットフォームとしての信頼性をいかに維持・向上させるか」という根本的な課題に対する、ひとつの明確な答えだといえるでしょう。
単に取引の場を提供するだけでなく、不正を未然に防ぎ、万一トラブルが起きた際には迅速に補償・対応する体制を整えること。
そのような姿勢こそが、利用者からの信頼を長期的に確保するために欠かせない要素といえます。
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・ 「透明性レポート」の公開予定(2025年8月)
メルカリは2025年8月を目処に、「どのような不正行為がどれだけ発生し、どのように対応したか」といった情報を数値や実例を交えて公開する「透明性レポート」の発行を予定しています。
こうしたレポートの定期的な公開により、プラットフォーム運営の透明性が高まり、利用者や社会に対する説明責任もより明確に果たせる体制が構築されていくと期待されます。
・外部機関との連携強化
あわせて、外部の専門機関との情報共有や共同対策も強化していく方針です。
詐欺や不正利用の手口が複雑化・高度化する中、プラットフォーム単独では対応が難しいケースも増えており、警察・消費者庁・鑑定機関などとの連携が、今後の安心安全な取引環境の実現には欠かせない要素となります。
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ユーザーの中には、「安全性が高まることで、かえって手続きが煩雑になるのではないか」と懸念する声もあるかもしれません。
しかし、AIによる不正監視や鑑定制度、全額補償といった取り組みはいずれも裏付けのある保護体制であり、正しく利用しているユーザーにとっては、過度な負担を感じさせないよう配慮されています。
むしろ、これらの施策が定着することで、高額商品やブランド品の取引がより安心して行えるようになり、マーケットプレイス全体の信頼性や取引価値の向上につながっていくことが期待されます。
中国からの仕入れを行うEC事業者や個人セラーの中には、「商品が届かない」「中身が違う」「偽ブランド品だった」といったトラブルを不安視する声も少なくありません。
こうした背景から、仕入れ段階でのリスクを最小限に抑えるために、検品・補償・返品対応までを一括で支援する専門代行サービスの活用が広がっています。
なかでも「さくら代行」は、商品の検品・撮影・タグ付けなどの出荷前対応はもちろん、万が一のトラブル時もスピーディーに対応できる体制を整えており、個人から中小企業まで幅広い利用者に信頼されているサービスです。
とくに初めての中国仕入れでも、LINEで相談しながら進められる点や、日本語対応で細かなニュアンスまで伝えられる安心感が、リピーターの多さにつながっています。
さらに、メルカリのようなCtoC(個人間取引)プラットフォームにおいては、利用者のモラルやリテラシーの高さも、安全性に大きく影響します。
どれほど制度が整備されていても、ユーザー自身がルールを理解し、リスクへの備えを意識することが、健全な取引環境の維持に不可欠です。
今後は、運営側の技術的・制度的な対策と、利用者側の理解と協力。その両輪によって、より安心して使えるマーケットプレイスが築かれていくでしょう。
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今回のメルカリの発表は、「個人間取引の安全性」への社会的関心が高まる中で打ち出された、非常に重要な一手といえます。
不正行為を排除し、正しく利用するユーザーを保護するという方針は、多くの利用者にとって安心感をもたらすものであり、今後の取引環境の質的向上にもつながると考えられます。
一方で、こうした制度が十分に機能するためには、ユーザー一人ひとりが安全な取引への意識を持ち、ルールを守ることも欠かせません。
運営側とユーザー側がともに責任を分かち合いながら、信頼できるマーケットプレイスを築いていく姿勢が求められます。
また、メルカリ単独での対応に限らず、同じ理念を持つ企業やサービスとの連携、さらにはサードパーティの支援を柔軟に取り入れていくことが、取引全体の信頼性や利便性をさらに高めていくうえで重要な鍵となるでしょう。
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