日本郵便に異例の“事業許可取消”処分|ゆうパック停止の影響とEC事業者が今すぐすべき備えとは?
日本郵便が国交省から異例の事業許可取消処分を受け、ゆうパックの停止や遅延が全国に波及する可能性が高まっています。
本記事では、生活やEC事業者への影響、代替手段「こねこ便420」の活用法、さくら代行による発送体制の見直しポイントを詳しく解説します。
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2025年6月、国土交通省は日本郵便に対し、自動車貨物運送事業の一部について事業許可を取り消す方針を固めたことが報じられました。
今後、正式な処分に向けた手続きが進められる見通しです。
この決定は、同社の運転手が乗務前の点呼を受けないまま出発し、酒気帯び運転に至るなど、重大な安全管理上の不備が相次いで発覚したことを受けたものです。
関東運輸局が実施した監査では、国の定める処分基準を大きく上回る悪質な違反が確認され、全国各地でも同様の問題が多数報告されています。
処分の対象となる車両は、およそ2,500台に及ぶとされ、郵便や宅配業務への深刻な影響が懸念されています。
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日本郵便では、乗務前の点呼を行わずに出発するなど、重大な安全管理違反が確認されました。
2025年4月だけでも全国10支社で20件の不正が発覚し、そのうち19件ではアルコールが検知されています。
このような違反は、「貨物自動車運送事業輸送安全規則」に違反するもので、運転者の健康や飲酒状態を確認する義務を怠った形です。
国土交通省は、こうした状況を重く見て、日本郵便に対し事業許可の一部を取り消すという厳しい処分方針を示しています。
今後の手続きにより、正式な処分が発出される可能性があります。
大手企業に対するこの措置は極めて異例で、過去には中小運送会社に対する「事業停止」が最も重い例でした。
特に問題視されたのは、アルコール検知後も業務が継続されていた点です。
これは単なるミスではなく、組織的な安全意識の欠如とみなされました。
対象は約2,500台にのぼり、今後は郵便局の赤い軽トラックにも監査が及ぶ見込みです。
影響の拡大が懸念される中、国交省は「大手であっても例外なし」という姿勢を明確に打ち出しています。
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今回の日本郵便への事業許可取消処分は、単なる一企業の問題にとどまりません。
全国規模でサービスを展開する同社の物流が滞れば、私たちの生活やビジネスにも直接的な影響が及ぶことが懸念されます。
一般家庭への影響
ゆうパックの遅延や停止が起これば、以下のような場面で支障が生じる可能性があります:
- ・ネット通販の商品が届かない・遅れる
特に、父の日や誕生日など「期日指定」のプレゼントには大きな影響が出ます。 - ・医薬品・定期購入商品の配送遅れ
処方薬や健康食品など、定期的に届けられる商品が届かなくなれば、生活に支障をきたす可能性があります。 - ・書類・契約書類の送付が困難に
不動産契約、保険手続き、入試や願書など「郵送でしか扱えない書類」が送れなくなる恐れがあります。
特に影響が大きい層
- ・地方在住者や高齢者層:都市部に比べて選べる配送手段が少ない地域では、郵便局の機能停止は生活インフラの直撃となります。
- ・通販ユーザー全般:Amazon・楽天・メルカリなどで購入した商品がゆうパック経由だった場合、個別の通知や遅延対応が必要になることも考えられます。
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日本郵便に物流を依存していたEC・通販事業者にとって、今回の処分は業務停止に近い深刻な打撃となる可能性があります。
想定される業務への影響
- ・返品受付の混乱
ゆうパックで返品対応を行っていた場合、受付不可により顧客満足度の低下やクレーム対応が発生します。 - ・販促用サンプル・DM発送の停止
サンプル品やカタログ、チラシなどの発送が遅延・停止すると、キャンペーンやプロモーションの機会損失につながります。 - ・代替手段の準備不足による混乱
「郵便局だけで回していた」場合、代替業者との契約や発送資材の手配に追われ、短期間での対応が難しくなります。 - ・再配送・顧客対応のコスト増加
他社便の手配や割引・お詫び対応によって、1件あたりの対応コストが増大。利益率の低下にもつながります。
複数配送手段の事前確保がカギ
こうしたリスクを回避するには、平常時から複数の配送ルートを確保しておく体制が重要です。
- ・ゆうパック × ヤマト宅急便 × 佐川急便 の併用
- ・小口配送には「こねこ便420(ヤマト)」のような定額・低コスト便を活用
- ・物流全体の効率化やリスク分散を図るためには、さくら代行のような外部パートナーとの連携が有効
万が一のトラブル時にも業務を止めないためには、「特定業者に依存しない配送戦略」を持つことが、持続可能なEC運営の鍵となります。
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日本郵便に対する今回の厳しい処分は、中国から仕入れた商品を日本国内で発送している通販事業者にも無関係ではありません。
特に「さくら代行」を利用している事業者の中には、国内配送を日本郵便に大きく依存しているケースも多く、業務継続に支障が出るリスクがあります。
・“想定していたかどうか”が命運を分ける
重要なのは、「万一に備えて切り替え体制を確保していたか」です。
例えば、さくら代行を活用しているあるアパレル系EC事業者では:
- ・通常便:ゆうパックとヤマト宅急便の併用
- ・メール便:ネコポス、こねこ便420、クリックポストなどを活用
といった形で配送ルートを柔軟に設計していれば、今回の日本郵便に関する報道でも大きな影響を受けずに済むと考えられます。
一方で、「日本郵便一本」で運用している事業者は、
- ・再手配
- ・代替業者との新規契約
- ・顧客対応
といった突発的な業務への対応に追われ、業務上の混乱が生じる可能性があります。
・“発送だけ”でなく、“仕入れと発送の一体運用”が今後のカギに
日本郵便は全国の郵便物の約3割を担っており、その混乱は広範囲に及ぶ可能性があります。
だからこそ、仕入れから国内発送まで一括対応できるパートナー体制の重要性が増しています。
さくら代行のように、
- ・中国からの調達・検品・保管・発送をワンストップで管理
- ・複数の配送業者に対応可能な柔軟な拠点体制
を備えている事業者と連携することで、突発的な物流トラブルにも強いEC運営が可能になります。
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今回の日本郵便に対する厳しい処分は、安全管理の徹底が企業にとっていかに重要であるかを再認識させる出来事となりました。
同時に、特定の配送会社に依存するリスクも浮き彫りになり、ECや物流に関わる事業者にとって大きな教訓といえます。
とくにネット通販事業者にとっては、今後以下のような備えがますます重要になるでしょう:
- ・ヤマト運輸・佐川急便・地域配送業者など、複数業者の使い分け
- ・返品・サンプル発送に適した小口配送サービス(例:こねこ便420)の導入
- ・「配送」だけでなく「仕入れ~発送」まで対応できる外部パートナーの確保
たとえば、さくら代行のように、仕入れ・検品・国内発送まで一貫して対応可能な体制を持つパートナーと連携しておくことは、突発的なトラブル時にも柔軟な対応を可能にします。
物流の不安定化は今後もさまざまな形で起こり得るため、重要なのは「問題が起きてから慌てる」のではなく、平時から“止めない・遅らせない”体制を整えておくことです。
いまこそ、自社の物流体制を見直すタイミングです。仕入れから発送までを一気通貫で任せられる体制の構築が、今後の安定経営に直結するといえるでしょう。

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