品質トラブルは避けられるのか?OEM案件で実際に起きた3つの対応事例
OEMでは、どれだけ事前準備を重ねても、品質トラブルを完全にゼロにすることはできません。
サンプル段階では問題がなかったにもかかわらず、量産に入ってから仕様のズレや品質のばらつきが発覚する。
こうしたケースは、OEMの現場では決して珍しいものではありません。
重要なのは、「トラブルが起きたかどうか」ではなく、起きたときに、誰が、どのように対応できるかです。
その場しのぎの値引きや、工場任せの対応では、同じ問題が繰り返されるだけで、OEMは安定しません。
本当に必要なのは、原因を整理し、再発しない形に落とし込むことです。
本記事では、弊社が実際に対応したOEM案件における品質トラブルの事例を3つご紹介します。
それぞれのケースで、どのような問題が起き、どのように対応し、最終的にどう改善されたのか。
OEMに取り組むうえで、「失敗をどう乗り越えるか」のヒントとして、ぜひ参考にしていただければと思います。
1

本事例は、東京の事業者様(A様)からご依頼いただいた、既存商品に改良を加えたビジネスバッグのOEM案件です。
初回サンプルでは、仕上がり・使用感ともに問題はなく、そのまま量産へ進む予定となっていました。
A様からも「これなら売れる」と大変ご満足いただき、OEM案件として順調に進行しているように見えました。
しかし、量産前確認用のサンプルをチェックした段階で、大きな問題が発覚します。
それは、バッグが自立しないという点でした。
外観上は初回サンプルと大きな違いはないものの、実際に床に置くとバッグが倒れてしまい、ビジネスバッグとして求められる使用性を満たしていない状態でした。
さくら代行にて原因を調査したところ、底部に使用されている芯材の仕様が変更されていたことが判明しました。
初回サンプルでは 厚さ5mmの芯材 が使用されていたのに対し、量産前確認サンプルでは 厚さ3mmの芯材 に変更されていたのです。
工場側の認識としては、「外観には影響しない範囲での調整」という判断でしたが、日本側が重視する 『ビジネスバッグは自立するもの』という機能要件を満たさなくなってしまったのです。。
その後、日本におけるビジネスバッグの使用シーンや、市場で求められる機能性について工場と丁寧に共有し、認識のすり合わせを行いました。
さらに、底部構造と芯材の厚みを明文化した仕様書を作成したことで、初回サンプルと同等の品質を安定して再現できる体制を整えました。
その結果、量産は問題なく進行し、再生産時も品質トラブルは発生していません。
現在このビジネスバッグは、A様のZOZOTOWNにおける主力商品となっており、通常月で月間数千個、ビジネスバッグの需要が高まる 2月・3月には月1万個を超える販売実績を記録しています。
このような不具合は、日本市場や販売現場を理解しているからこそ気付けるポイントだと言えます。
一見すると簡単そうに見える既存品の改良OEMであっても、実際には確認すべき項目は多く、
さらに日本の商習慣や使用シーンを前提とした視点が欠かせません。
だからこそ、OEMを進める際には価格やスピードだけで判断するのではなく、日本市場を理解し、実務経験のある代行会社を選ぶことが重要だと言えるでしょう。
2
本事例は、大阪の事業者様(B様)からご依頼いただいた、オリジナルデザインを施したパーカのOEM案件です。
B様からは、前面に動物のイラストを配置したデザインでOEMを進めたい、というご要望をいただきました。
デザイン自体は明確で、初めてのOEMながらも順調に進行しているように見えました。
しかし、初回サンプルの確認段階で、弊社スタッフがある違和感に気付きます。
それは、前面に配置された動物の柄の向きでした。
一見すると指示通りのデザインに見えるものの、細かく確認すると、本来向くべき方向とは左右が反転している状態だったのです。
さくら代行が原因を調査したところ、B様からご提供いただいたデザイン元の画像が、スマートフォンのインカメラ(自撮り)で撮影された写真であり、撮影時点で左右反転した状態の画像になっていることが分かりました。
B様としては、「写真に写っているものが正しい向き」という認識でしたが、
インカメラ特有の仕様により、そのまま工場へデータを渡してしまうと、意図とは逆向きの柄で量産されてしまうリスクがありました。
弊社では、初回サンプルの段階でこの点に気付き、B様に確認を行ったうえで、正しい向きに修正したデータを再作成しました。
修正後のデザインで再度サンプルを制作し、最終確認を経て量産へ進行しています。
結果として、量産品ではデザインの向きに問題はなく、
B様のイメージ通りのパーカを無事にOEM生産することができました。
本事例のように、アパレルOEMではデザイン自体に問題がなくても、元データの作られ方や確認視点の違いによって、重大な品質トラブルにつながるケースがあります。
OEMでは、工場へデータを渡す前の段階で「違和感に気付けるかどうか」が、トラブル回避の大きな分かれ目となります。
3
本事例は、奈良県の事業者様(C様)からご依頼いただいた、ルーズソックスのOEM案件です。
日本市場向けに、ボリューム感と履き心地、そして「きれいなルーズ感」を重視した商品を作りたい、というご要望でした。
初回サンプルでは、シルエット・長さ・たるみ方ともに問題はなく、実際に着用した際のフィット感や安定感も良好でした。
C様からも「この仕上がりなら問題ない」と評価をいただき、量産に向けて進行する予定となっていました。
しかし、量産前確認用のサンプルを確認した段階で、明らかな違和感が発覚します。
それは、履いたときのたるみ方が不自然で、ボリューム感が足りないという点でした。
見た目だけを見ると大きな違いはありませんが、実際に着用すると、たるみがきれいに保てなく、初回サンプルと履き心地が明らかに違うといった問題が確認されました。
原因を調査したところ、使用されているゴム素材が変更されていたことが判明しました。
初回サンプルでは、ルーズ感と復元性のバランスを考慮し、天然ゴムが使用されていました。
一方、量産前確認サンプルでは、ポリウレタンゴムに変更されていたのです。
工場側に確認したところ、ポリウレタンゴムは耐久性に優れており、「長く使える商品にしたい」という判断から、良かれと思って素材を変更したとのことでした。
しかし、日本市場におけるルーズソックスでは、耐久性以上に履いたときの締め付け感や、たるみの安定性が重要視されます。
結果として、素材変更が履き心地やシルエットに影響を与えてしまっていました。
弊社では、天然ゴムとポリウレタンゴムの特性差、着用時の体感の違い、日本市場で求められるルーズソックスの基準を整理したうえで工場と共有し、ゴム素材を含めた仕様を明文化しました。
その結果、初回サンプルと同等の履き心地とシルエットを再現することができ、量産へと進める体制を整えました。
本事例から分かるのは、OEMでは「性能が良い素材」=「正解」とは限らない、という点です。
特にアパレル商品では、数値では表せない着用感や見え方が品質を大きく左右します。
OEMを安定して進めるためには、素材や仕様の変更があった場合でも、必ず日本市場の使用シーンを前提に確認することが重要だと言えるでしょう。
4
OEMのトラブルは、「工場のミス」や「不良品」が原因だと思われがちですが、実際には途中の認識ズレによって起こるケースがほとんどです。
- 仕様書の解釈違い
- データの前提条件の違い
- 良かれと思った素材・工程変更
- 日本市場特有の使用シーンの未共有
こうしたズレは、サンプル段階では表面化せず、量産前や量産工程で初めて問題として現れます。
OEMでは、「決めたつもり」「伝えたつもり」が積み重なるほど、完成品は当初のイメージから離れていきます。
これが、OEMが途中でズレてしまう最大の理由です。
5
さくら代行は、工場とお客様の間に立ち、ズレを未然に整理する役割を担っています。
単に仕様を伝えるだけでなく、日本市場でどう使われる商品なのか、どこが“品質の判断ポイント”なのか、変更してはいけない部分はどこか、といった背景まで含めて共有し、途中で勝手にズレない仕組みをつくることを重視しています。
OEMは、「作れるかどうか」よりも「同じものを安定して作り続けられるか」が重要です。
さくら代行では、トラブルをその場で終わらせるのではなく、次に同じ問題が起きない形に整理することをOEM支援の本質だと考えています。
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